『おもらしっこ』

<1>
幼稚園での一日が終了して 一護は帰り支度をいそいそと始めた
すぐそばで積み木で遊んでいた冬獅郎に

『冬獅郎?トイレいっとけよ!』

と声をかける

『へいき!』

と言い返されて 一護はため息を着く

(絶対帰り騒ぎだすのに…)

『帰りトイレ寄んないからな!行きたくなっても知らねーぞ』
『いかないもん』

積み木を両手に持って可愛い下を『べー』っと出して
冬獅郎の周りに散らばった積み木を片付けながら軽く頭を小突いてやった

『いてぇなー!』
『ほら!お前もちゃんと片付けろ!』

乱暴にかごの中に積み木を投げ込む冬獅郎
(もっと素直だったらとんでもなく可愛いのに…)
と一護は思わずにはいられない

帰り道晩ご飯の買い物に寄って行くためバスには乗らず歩いて帰ることにした
かごの中には入れたはずのないお菓子が入っていたりするので気が抜けない
高くかごをあげた状態で買い物をしていると 少しぶーたれた冬獅郎が下からにらんでくる

『家に帰ったらアイスあるから…』

アイスという言葉でぱぁっと明るくなる顔
分かりやすくてとても助かる
二人でゆっくり歩いて家へ
冬獅郎の両親は仕事で忙しいのでいつも夜まで一護は冬獅郎を預かっていた
冬獅郎も一護にはとんでもなくなついている…というより一護にしかなつかない
一護も一護であんまりにも可愛い天使のような(言うことはあんまり聞いてくれないが)
冬獅郎がなついてくれるのは嬉しいし 他人にほいほい着いて行かれたりするのははっきり言って
むかつくのでこれでいいと思っている

やっと一護の家に着き中に入ったとたん
冬獅郎が『あっ…』と可愛い声を出して…おもらし

『あ!こら!お前…だから幼稚園で行っとけって言っただろ!』
『だって!』

どおりで…途中からややおとなしいとは思ったんだけど
お菓子買ってやらなかったからだろうと軽く考えていたが違っていた
急いでと冬獅郎のズボンとパンツ脱がして洗濯機へ

着替えは無いからかわいいおしりが丸出しで
思わず軽くぺちっと叩いてしまう

『なんだよー』

言いながらも冬獅郎は部屋をドタバタ走り始める

『こら!冬獅郎!おとなしくしてろよ!』
『べー』

ちっちゃい手であかんべーをしてまた走りだす
なにが楽しくてで子供は走るんだ…?と楽しそうに走り回る冬獅郎を眺める一護
先に風呂に入れるか…と思い風呂をわかして 洗濯機を回す

『いま風呂湧かしてっから!これ食ってろ!』
『!』

大好きなアイスクリームを目の前に出され冬獅郎の目がアイスに釘付けになる
ちょこんと座って一護からスプーンを受け取る
嬉しそうに食べ始めたのを確認して
夕飯の買い物を冷蔵庫へいったん仕舞う
べたべたに手やら顔やらにアイスくっつけながら
夢中で食べてる冬獅郎に一護は苦笑しつつ自分は缶コーヒーを開けた

風呂がわいたので とっくにアイスを食べ終わって
足を放り出してテレビを見ている冬獅郎に声をかける

『風呂入るぞー』
『うん!』

オレと一緒に風呂に入るのが大好きな冬獅郎
すぐにテレビから離れオレの方へ駆け寄ってきた
(いつもこうなら可愛いのに…)
服を脱がそうとすると自分から両手をあげてばんざいしてくれる
かわいい

風呂から上がってタオルで拭いてやる
洗濯物を乾燥機に放り込んで
一護のTシャツをとりあえず着せてやる
大き過ぎて引きずるし 襟が寒そうだけど仕方ない
首にハンカチを巻いてやった

『なぁいちごー ジュースのみてー』
『お前…またもらすなよ……?』
『んなことしねー!』
『はいはい…』

ご機嫌でリンゴジュースをちゅーちゅー飲む冬獅郎の嬉しそうな横顔で
なんだかんだ忙しかったオレの疲れが吹っ飛ぶのだから不思議で仕方が無い

 

 

 

<2>
一護先生が自分のものだけじゃなきゃ嫌な冬獅郎
みんなも一護先生と遊びたいのにいつも冬獅郎が独り占め
それはあんまり良くないなと思う一護は出来るだけ他の子供とも遊ぶようにはしている

しかしそうなると冬獅郎はすぐに拗ねてしまう
あとからたくさん遊んでやるし 一緒に帰って寝るまでそばにいるからすぐに機嫌は治るのだけど
たまにとんでもない行動に出る
みんあに一護を取られてしまって拗ねてしまった冬獅郎は
遊具やら立てかけてある台やらを色々よじ上っていつの間にか屋根の上
それを見つけた一護は慌てて

『こら!降りろ!冬獅郎!』
『やだ!』
『あぶないだろ!』
『やだ!!!』

園児達のママ達がそろそろ迎えに来る時間
こんなの見られたらなに言われるかわかったもんじゃない

なんとかしようと考えるが
どうやってあんなとこまで登ったのか
一護は登れそうなところを探すが
危なっかしく屋根の上で座り込んでいる冬獅郎から目が離せない

『ちょ!お前そこでじっとしてろよ!今行くから!』
『やだ!くんな!』
『いいから動くなよ!』
『くんな!ばかー!』

こんな事態なのにそんなふうに拗ねてわめいている冬獅郎が可愛くて
思わず胸がみゅーんとなってしまった一護だったが
(ちが!そんな場合じゃねえ!)
すぐに我に返り脚立を取りに行こうとしたが
屋根の上の冬獅郎がなにやらごそごそ始めたので一護の動きが止まる

『おい!なにしてんだよ!』

イライラしてか投げ付けたい冬獅郎
ポッケに一護にもらったアメ
それを掴んでぶんって一護をめがけて投げた
一護まで届かずこつんこつんと何度か屋根にぶつかりながらぽとりと
地面に落ちた

思いっきり投げたので小さな身体がバランスを崩し
斜めになっている屋根で足を滑らせ転がりだしてしまった

『うぁぁ!』
『うわ!冬獅郎!!!!』

バランスを崩しグラリとゆらいだ冬獅郎に一護の目が大きく見開き
全身の血がなくなったかと思うほどひやりとした
だが それも一瞬で一護は冬獅郎から目を離さず猛ダッシュ
両手を大きく前へ出しころころ転がってくるちちゃな塊を受け止めるべく
屋根の下で待ち構える

『っ!』

屋根から転がりふわりと宙に浮いたと思い一瞬開けてしまった目で見えたのは
地面の茶色
(おちちゃう!)
っと悟ってぎゅっと目をつぶった冬獅郎

しかし次の瞬間に来たのは少しの衝撃
屋根から落ちた先には一護が待ち構えていて
すとんと一護にしっかりキャッチされていた

だけど冬獅郎はびっくりして混乱していて
きょとんとしたまんま固まってしまっていた

地面にぶつかってないし
痛くないし
大好きなにおいがふわっとしてきて

『うぁぁぁぁん!』

すぐに一護だと気づいた冬獅郎
大きな目からこれまた大きな涙がぽろぽろ
一護も思いっきり泣きわめいている冬獅郎を抱きしめた
一護にしがみついて大泣きする冬獅郎に

『あっぶねーなぁ!何やってんだ冬獅郎!』

心底ほっとして口では怒りながらも
一護も一緒に泣き出しそうになってしまった

『もうあんなとこ登っちゃだめだぞ?』
こんどは少し優しく言ったが
ぴーぴー泣きわめく冬獅郎にはなんにも聞こえない
でもしっかりぎゅっと抱きしめてくれる腕にとても安心して
一護の服が涙と鼻水でベタベタになるまで泣いた

屋根の上は少し恐くて
でも一護が自分の相手してくれないから降りたくなくて
というか降りられなくなって

一護にだっこしてもらったら安心してガマンしてたのに
ほっとしたのとびっくりしたのでとうとう…

『ああー 冬獅郎!まーたもらしやがった!』
『うぇっ…だって…!』
『しょうがねえなあ…』

一護のエプロンがすっかりびしょ濡れ
でもまだ腕の中の子供は震えていて
ちょっと冷たくて気持ち悪いけどもう少しこのままでいてやることにした

 

 

 

 

ちびっこのおもらしは盛大にカワユい
っていうよりヒツのがカワユい
戦闘しながらすっごい我慢してて終わったらちょっと漏らしてくんねーかなー…