『どんだけ食べてもいいのか?2』

あんまりたくさんのスイーツを前に固まってしまった冬獅郎
お皿抱えてどうしようか迷って
ちらっと一護の顔を伺う
一護はそれを察して自分のお皿にどんどんケーキを積んでいく

『どんだけ取ってもいいぞ』
『あぁ…』
『おー!あれうっまそー!』
『あ!オレも……!』

つられて冬獅郎のふだんは滅多に出さないおっきな声で
そうやってしばらくあれもこれもと物色し
ふたりしてお皿からこぼれそうなくらいたくさんのスイーツ乗せて
ちゃんとジュースも用意して席に戻った

『いっただきまーす!
『いただきます…』
『うは!うっめぇなー な!冬獅郎!』
『う…?』

大好きなプリンを食べるのに夢中で間抜けな声をてしまった冬獅郎
そんな声に自分では気づいていないようで
スプーンとフォークを両手で持って一生懸命食べる姿が
とんでもなくかわいくて、一護は思わず見とれてしまう

『なんだよ?くわねえのか?』

口の周りを汚しながらチビが一護に不思議そうな目を向けた

『あ?いや、食うって まだまだ食うぜ!』
『おぅ』

しばし無言でむさぼり続ける二人だったが
あっという間にお皿が空っぽになってしまい
ジュースもしっかり飲み干した冬獅郎が

『オレもっと持ってくる』
『ちょっと待て冬獅郎!』
『なんだよ』
『ほら、コッチ来い』

口の周りを生クリームやらケーキのスポンジのかすやらで汚しまくった冬獅郎
そのまま席を立って次の獲物を取りに行こうとするのを一護が呼び止めた

顎に手をかけて一護がぐいぐい拭いてあげると
しょっと恥ずかしそうに冬獅郎は下を向いてしまった
自分の失態に気づいたらしい
そんな姿を一護は気づかない振りをして

『よし次いこーぜ!』
『………』
『冬獅郎あっちでパフェ作ってくれるみたいだぜ!』
『え!』

以前に一回だけ食べたことのあるパフェ
一護に連れて行ってもらったファミレスというところにあったメニュー
アイスとフルーツとケーキとクリームが一度に乗った 冬獅郎にとっては夢のような食べ物だった
とってもおいしかったので、また食べたかったんだけど
なかなか機会がなかったから忘れてた

目の前で好きなフルーツやらチョコやらをこれでもかと乗せてくれるシステム
好きな物を冬獅郎に選ばせてくれる一護
出来上がったのは冬獅郎の顔より大きなフルーツとチョコとクリームがどっさり乗ったパフェ

お二人でどうぞ
といわんばかりにスプーンとフォークが二本づつささっていた

『うぉ!結構重いなー』
『おい一護!落とすなよ!』

その後も競争するみたいに張り合って食べまくった二人
周りの人が可愛らしい兄弟(に見える)をこっそり微笑ましいと見つめていたのも気づかずに…

『あー…食ったー!』
『……』
『さていくか!少しどっかで休んで散歩でもしようぜ』
『…う…うん』

立ってみたらあんまりにも重い自分のお腹に少々びっくりする冬獅郎
かなり苦しくて前屈みになってしまった
背中を伸ばそうとすると苦しくて……もどしてしまいそうだった

『だーいじょぶか?冬獅郎?』

一護が笑いながら聞いても

『お…おぅ』

苦しそうに返事をするだけで
顔もあげてくれなかった

『冬獅郎!』

と 突然一護が冬獅郎を抱えて抱っこしてみる

『おー!やっぱすこし重いかーぁ?』
『あ!降ろせって!』
『ははっ!お前歩くの辛そうだからさ』
『つ…つらくね……ぇ…』
『どした?』

だんだん小さくなる声に心配そうに一護が覗き込むと
眉をよせて唇を噛みしめている 少々顔が青い子供

『お…おい!冬獅郎!』
『…おなか…いた…い』
『はぁ?』
『いたい…』
『お前…食い過ぎたのか…』

おもわず一護はため息をついてしまった
そんな一護を恨めしそうに見上げながら

『だって…』

と涙目で言い訳しようとしてくる
その目がとってもかわいくて

しかしこのままほっとく訳にもいかないので
一護は少し考えるように天井を見上げ

『ちょっとここで待ってろ!』

冬獅郎をベンチに座らせて
レストランの3件となりの薬局へ入って行った

すぐに一護はもどって来て
その手にはどうやら冬獅郎の嫌いな粉状の胃薬とミネラルウォーター

『これ飲んで!』
『ヤダ…』
『こら!お前薬いやがってるばあいじゃねーだろ!』
『だって……』

また『だって』
全く素直じゃないというか、言うことを聞かないというか
と 一護はまた小さなため息
しかしここで引いてはいけない

『だめだ!ちゃんとこれ飲まないと夕方映画観れないだろ?』
『……う』

仕方なく嫌いな粉薬をがんばってミネラルウォーターで流し込んだ冬獅郎

『う…げぇ…まっじー!』
『よーし!飲んだか ったく、無理して食べ過ぎるからだぞ?』
『うるせぇな!』
『少しすれば利いてくるからな』
『うん』

くったりベンチに寄りかかってまだ苦しそうに行きを吐く冬獅郎
一護はその小さな身体をを優しく抱き寄せて

『今度はもう少し考えて食えよ?』
『…ん』

小さく頷いて一護の腕にもたれかかってくる
普段はしないそんな冬獅郎の様子に
外でこんなことをしたがる子じゃないのに、辛いんだな
と一護は苦笑しつつも少しうれしくて

もう少し強く抱き寄せてみた

『寒くないか?』
『…少し…さみぃ…』

かなり奥まったとこにあるベンチ
人通りは全く無くて

一護は冬獅郎を膝の上に横抱きにしてみる
お姫様抱っこ

『いち…ご!』
『誰もこねぇよ』

そう言って笑ってやると
まだおなかが苦しくて大きな声を出したくない冬獅郎は
めんどくさくなったのか観念したように一護の胸に顔をうずめてきた
そんな愛らしい恋人の頭を優しくなでながら
一護はふかふかのほっぺにキスを落とした

すこうし顔が赤くなる
一護の服をぎゅっと掴む小さな手
頬を一護の胸にすりつける

全ての動作が一護には可愛らしくてたまらなかった
頭をなでる手を止めず
冬獅郎の耳元でささやいてやった

また来ような
今度は別なとこもいってみようか…
ちゃんと薬持ってな……

 

 

みずのさんが『デザートバイキング』とかいいよね
というネタを投下したので…
こーゆーのをたっくさん食べる子大好きなんですv
自分がムリだから…;;